2.撮影について(3)

c) 撮影方法について
今までいろんな事を書いてきましたが、いよいよ撮影方法自体についてまとめてみます。

『ヒト』のように一緒に、雰囲気のいい場所に行って、“ポーズ”をとってもらい、
手軽にカメラを持ってシャッターを押せば、そこそこに良い写真が撮れればいいのですが、
『人形達』は自分で動くことができないですし、もちろん、ポーズもとれません。

でも、撮影の基本は『ヒト』とまったく同じだと、わたしは思っています。

まず、ご自分の子達を『ヒト』のように感じられるかどうかが1つのポイントでは、ないでしょうか。

それによって、撮れるものが自ずと『ヒト』になるか、『モノ』になるか決まってくると思います。

そしてようやく、『人形達』が、とってくれている“ポーズ”に合わせ、
どんな撮影の仕方をするかということが問題になるのでは、と思います。

その撮影方法を簡単にまとめてしまえば

1.レンズの選び方 どのレンズがその被写体にとって最適なのか?

2.アングルのとり方 どんな見せ方をするのか?

3.光のあて方 どんな雰囲気をだすのか?

4.ピントのあて方 何を明確に打ち出すのか?

基本的には、この4項目で写真の内容は決まると思います。

あとは、前項目でまとめてきたスパイスが加わることによって、
お気に入りの写真になると思いますので
ここでは、この4項目について重点的にまとめていくことにします。


1.レンズの選び方について。

 撮影するにあたって、一眼レフを使用した場合、
 実際どんなレンズが最適なのかというと、その場合によっての用途の違いや、
 個人それぞれに好みもありますので、一概にこれがいいとはいいきれません。

 でも、レンズそのものの仕様や特徴を把握することで、
 そのときの撮影に合ったレンズを見つけることは、できると思います。

 レンズの見方としては、まず
 
a)レンズの種類の違いがあります。
 基本的にレンズは焦点距離によって分類されています。
 これは、1つの焦点に特化した、単焦点タイプと焦点距離を変えることのできるズームタイプと大きく分かれ、
 それがまた詳細に用途によって分かれています。

 次に
 
b)レンズの仕様の違いがあります。
 これは、同じ上記の区分のレンズでも焦点距離の違い、F(絞り)値の違いです。

 そして、
 
c)カメラの特徴に起因する違いや付加価値をつけた特徴を持った違いがあります。
 APS-Cサイズ専用のレンズや手振れ補正をもったレンズ、防塵防滴構造をもったレンズなどです。

 あとは、カメラメーカー純正のレンズとレンズメーカーから出ているレンズとの
 色づくり傾向の若干の違いなどがありますが、
 好みの問題もありますので、ここでは、とり上げないことにします。

 上記の内容に関してそれぞれの説明も含めて下記にまとめてみたので参考にして下さい。

 


a)レンズの種類の違い。

 まず、種類の違いを説明する前に、はじめての場合、焦点距離とか単焦点レンズ自体、
 あまりなじみの無い言葉だと思います。

 焦点距離とは、ふだんCMなどで3倍ズームとか最近は超ズーム15倍とかいわれているものと同じです。

 基本は35mmがベースとなっていて、その値がそれより小さいと広角、大きいと望遠といいます。
 広角とは、普通の目で見た感じより広がった部分まで写せるもので、
 望遠とは、狭い範囲を拡大して写すことのできるものです。

 
実際に焦点距離の違いは、どんな感じの見え方になるかというと、
 撮影距離(カメラと被写体の距離)と撮影倍率(被写体と撮像の大きさの率)の問題はありますが、
 人差し指と親指を丸くして、目に当てた状態で見える部分が広角の15mmぐらい、
 2cmぐらい前にだして見える部分が標準といわれる35mmぐらい、
 30cmぐらい前にだして見える部分が望遠の300mmぐらいと、思えばわかりやすいかも?


 最近のコンパクトデジタルカメラは、より広く撮影できることをうたっているものが多くなっています。
 その場合、例えば同じ5倍ズームでも、35mm(通常)のものでは、175mmとなっても、
 広角27mmベースのものでは、135mmとなり、広角は、強くなっても、ズームでは通常のものより、
 大きく写すことができないので注意が必用です。

 単焦点とは、ようするにズーム機能がないレンズだと思ってください。
 ズーム機能が無いかわりにレンズ枚数の関係などで、レンズの構成枚数が少ないため、小型軽量。
 色収差、画像のゆがみ、ひずみを補正しやすい。
 F値の小さい明るいレンズが多いため、高速なシャッターを切りやすい。
 など、利点も多いです。
 
 焦点距離を基にしたレンズの種類は以下のとおりです。
広角・超広角レンズ

ウィキペディア参照

広角レンズ(こうかく - 英 wide lensまたはwide angle lens)は、
レンズ交換が可能なカメラ用に作られたレンズのうち、
焦点距離が35mm以下のものをいう。
標準レンズ望遠レンズに対する。その名の通り、
広い範囲を写すことができ、
広大な景色などを撮影するのに向いており、
被写界深度が深い特性も持つため
パンフォーカス撮影にも適している。
広角レンズで写した写真は、
パースペクティヴ(perspective, 遠近感)が強調され、
また被写体がデフォルメされることもある。
焦点距離が24mm以下のレンズは、超広角レンズと呼ばれている。

★★★★★
ようするに 背景をいっぱい撮りたい時か、ディフォルメを
大きくとりたい時に、使用する単焦点・ズームレンズ
です。
特に超広角レンズはその形状から、
よくフィッシュアイ(魚眼)レンズといわれます。
標準レンズ

ウィキペディア参照

標準レンズ(ひょうじゅんレンズ)とは、
写真で、原画(フィルムガラス乾板など)の
フォーマット(ひとコマのサイズ)の
対角線長に近い焦点距離レンズのこと。


★★★★★
見た感じそのままの大きさのイメージを
撮影する単焦点レンズ
です。
焦点距離は、大体35mmから100mmぐらいだそうです。
標準ズームレンズ

ウィキペディア参照

標準レンズの領域をはさんだ
焦点距離を持つズームレンズのこと


★★★★★
見た感じそのままの大きさのイメージを
撮影するズーム機能をもったレンズ
です。
ふつうに前後して、アングルを決めるぐらいのズーム範囲を
もっているため、かなり使用勝手がいいです。
望遠・超望遠レンズ

ウィキペディア参照

望遠レンズ(ぼうえんレンズ)は、
レンズ交換可能なカメラ用に作られたレンズのうち、
焦点距離が85mm以上のもののことである
名前の通り、遠くのものを拡大し、
あるいは手前に引き寄せて写すことができる。
このうち、焦点距離が85mmから135mm位のレンズは、
遠近感が標準レンズよりもむしろ自然で、
被写体とある程度の距離を置くことができ、
被写体を背景や前景から浮き上がらせて写すことができるなど、
人物撮影に向いているので、
ポートレート・レンズと呼ばれることがある。
一般に、望遠レンズで写した写真は、遠近感が圧縮された、
あるいは遠近感があまりない写真になり、
また、焦点距離が長くなるほど、ピントの合う範囲が狭くなる。
望遠レンズは、焦点距離が長いほど、ぶれやすい。

★★★★★
遠くのものや小さいものを大きく写す単焦点レンズです。
その他にも被写界深度が浅くなるため、
まわりをぼかしたい時にはおすすめです。
望遠・超望遠ズームレンズ

一般的には、幅広いズームレンズのうち、
広角ズームレンズと標準ズームレンズ以外の
ズームレンズ
を意味することが多いようです。

最近非常に人気の高い18mm〜28mm程度から
200mm〜300mm程度の高倍率ズームレンズも大きくは、
この仲間になるみたいです。


★★★★★
高倍率ズームレンズは、非常に付加価値が付いた物が多く、
多くは下記で説明しているマクロ機能をもっているものが多いです。
非常に使用勝手は高いのですが、
高倍率になるにはレンズの屈曲も強いということなので、
画質も他のものに比べると、それなりになります。
マクロレンズ

ASCU.jp参照

近接した被写体の撮影に適するように設計されたレンズ。
焦点距離は50mm〜200mm程度で標準レンズと変わらないが、
標準レンズは遠景撮影のために最適に調整されているのに対し、
マクロレンズは接写向けに調整されている。
デジタルカメラにも、接写機能をもつものがある。


★★★★★
小物などを大きく写すために近づいて、
撮影することに特化した単焦点レンズ
です。
撮影倍率が高く、クローズアップの等倍撮影ができます。
ですから結構、まわりもきれいによくぼけてくれます。
また、普通の撮影もできます。


b)レンズの仕様の違い。

 上記の内容の分類が同じでも、詳細的な仕様の違いが 各々のレンズによって違います。
 例えば、同じ単焦点の標準レンズでも、まず焦点距離が、35mmや50mmと、多彩に分かれています。
 また、同じ50mmのレンズだったとしても、F値(絞り)がF1.8とF2.8と違っていたりします。
 このF値とは、レンズにどれだけの光が損失するかという値で、
 レンズ口径を焦点距離で割った数値の逆数で求められるそうなので、
 値が小さいほど、明るい(よく光を取り込めることのできる)レンズということになります。
 逆にいえば暗いところ(室内撮影)などに強いということですね。
 
 また、その他にも上記全てが同じでも、最大撮影倍率の差があります。
 これは、レンズでもっとも大きく写したときの被写体と撮像の大きさの比率で、
 例えば、最短撮影距離が50cmだったとしても、最大撮影倍率が1.0だったレンズの場合、
 最短撮影距離が25cmで最大撮影倍率が0.2倍のレンズよりも、被写体には近づけないが
 大きく写すことができることになります。
 
 単焦点マクロレンズは、基本的に最大撮影倍率が1.0に近いものが多いです。
 

 ようするに、種類、焦点距離が同じレンズであれば、できるだけ、F値の小さくて、
 倍率が高いものが基本的に適している
ということになりますね。

 ※でも、そんなレンズに近づければ近づくほど、性能が上がるわけですから、
 お値段も ぐんぐん高くなっていきます。

 



c)カメラの特徴に起因する違いや付加価値をつけた特徴を持った違い。

 これは、まったく同じ性能・仕様を持ったレンズですが、
 プラス機能やカメラ特徴に合わせた専用設計を持ったレンズのことです。
 
 一つ目は、上記でも書いたAPS-C専用のレンズです。
 一回り小さいCCDの大きさに合わせて、その特徴を生かしたレンズを設計しているため、
 間違えて、フルサイズ機EOS5Dなどには取り付けることができないようになっているため、
 買う際には、注意してください。

 2つ目は、蛍石やUDレンズなど高価な特殊な屈折率を持ったレンズを使用したレンズです。
 これは、そのまま写りの綺麗さを追求したレンズです。

 3つ目は、プラス機能として手ブレ補正を持ったレンズです。
 今最新として出ているレンズは、シャッタースピードが約3段階分位フォローしてくれるので、
 非常に実用的です。1/13秒ぐらいが1/60ぐらいにできれば、ブレもほんと、無くすことができます。

 4つ目は、雨の日や風の強い日になんかで非常に役に立つ、防塵防滴構造を持ったレンズです。
 
 1つ目は、特徴といっても仕分けに近いのでコストは変わらないのですが、
 後者3つの特徴を持ったレンズは、それなりに付加価値がついてくるので高額になります。

 他にもあるかもしれませんが、とりあえずこのぐらいでしょうか。

 



 レンズの選び方

 上記にまとめた内容にて、大体レンズの種類、特徴はつかめたと思います。

 それじゃあ一体、どのレンズが人形撮影にむいているかというと、
 そのためには、ある程度シュミレーションしてみるか、1つづつ実際に買ってみて、
 撮り比べてみないとわかりません。

 レンズ1本で数万円いいものは何十万も掛けられるわけがないので、
 ここで少しシュミレートして、プラス自分の体験に基づいてまとめていきたいと思います。

 
 まず、35mmと300mmの焦点距離について、どのぐらいの差がでてくるのかを比べてみました。
撮影できる範囲のシュミレーション 1



手前の太い枠がフルサイズCCDの35mm
その内側の太い枠がAPS-CサイズCCDの35mmです。

中心側にある外側の枠がフルサイズCCDの300mm
内側にある枠がAPS-CサイズCCDの300mmとなります。

この写真を見る限り、300mmまではいらないのかと、思いますよね。
アップの写真でも大体100mm程度でしょうか?
つぎは、35mmと100mmとで40cmぐらい離れて、どの範囲まで撮影できるかを図にしてみました。
撮影できる範囲のシュミレーション 2


撮影距離が40cmぐらいの場合、
フルサイズでは100mmで1/3ドールの顔のアップぐらいでしょうか。
APS-Cサイズですと1/6ドールの顔のアップサイズになり、1/3としては大きすぎ?
・・・・・・・撮影距離を離せばいいんですけどね。

フルサイズの35mmでは1/3ドールの体の大部分が撮影範囲に入ってきます。
APS-Cサイズの場合ですと、ちょうどバストショットぐらいですね。

撮影距離を40cmから1mぐらいと考えた場合、
撮像範囲は比例して変えることができますので、
どちらにしても、大体このぐらいの焦点距離が妥当ではないかと思います。

で、結果としては、ふつうにドール写真を撮りたい場合、
 
35mm〜100mmぐらいの焦点距離をもったレンズで、
 どうしても室内撮影が多くなることから明るいレンズであること
が、第一条件ということになりますね。
 明るいレンズとしては、F値が小さければ小さいほど良いと思います。
 そのときに、使い方として
手持ち撮影が基本となる場合は、
 やはり
付加価値として“手ブレ補正機能”は照明のセッティングによって必用になると思います。
 単焦点レンズかズームレンズかは、あまり人形撮影にとっては問題ではないかな?と思うのですが・・・

参考となるかはわかりませんが、わたしは現在、撮影用として、

 『60mmマクロ F2.8』
 『100mmマクロ F2.8』
 『17-55mm F2.8 手ブレ補正付』
 『18-200mm F3.5-6.3 手ブレ補正付』
 の4本を使用しています。

 その他の所持しているレンズとして、
 『35mm F2.0』
 『28-75mm F2.8 マクロ付』
 『70-300mm F4-5.6 手ブレ補正付』
 を持ってはいますが、人形撮影には使ってませんね。
 『28-75mm F2.8 マクロ付』は、使えるのですが、
 基本的に『17-55mm F2.8 手ブレ補正付』を買ったのでお役目終了ってとこです。

 実際、ボケの効果を出すにあたっては、先ほどの撮影距離ではF4.0ぐらいで十分で、
 F2.8ぐらいまで絞りを開放してしまうと、ドール自体のボケて欲しくない部分までボケてしまうことが多いです。
 1/6サイズの場合は、もう少し開放しても問題ないと思いますが・・・・

 その中でもやはり今は、ポーズとってもらって、撮影イメージが消えないうちに撮りたいので
 手持ち撮影が多くなり、ズームがあって手ブレ補正機能付の2本が常用レンズとなっています。

 ちなみに、常用焦点距離は40mmぐらいから70mmぐらい、絞りのF値は4.0です。

 あとは、使い方によるので、もっとパースペクティヴをつけたいなら
 広角側のレンズを買えば、問題ないとは思うのですけどね。


2.アングルのとり方について。

 もうこれは、『ヒト』と考え方は、同じですね、
 どんなポーズをとるにしろ、一番、場の雰囲気が出て、見えのいい撮り方が
 ベストショットといえると思います。

 ただ、『ヒト』と違い、小さいので、ちょっとした角度、位置だけで、撮ったイメージはかなり変わってきます。

 ですから、人形たちにとるスペースは、小さくても、撮影する自分の動きにあわせて、
 出来る限り融通のとれるスペースを確保してから撮影に入ることをお勧めします。

 それで、実際のアングルについてですが、下記に雑誌に書いてあった『ヒト』用ものを
 ドールに合わせて、置き換えて、まとめてみましたので、参考にしてください。

ポートレート用写真
 フェイスアップやバストショット、または全身を撮ったイメージ写真です。
 被写体のみをメインで写すことを基本としていています。
 昔は、背景をボカして被写体を浮き立たせる手法が一般的だったそうです。
 そのため、レンズについては、ボケがきれいにでる望遠系のものや、マクロレンズがよく使われていたそうです。
 しかし、最近では、背景を含んだ臨場感があるものが、一般的になっているようです。
 その場合、ボケよりも、解像度やパースペクティブのあるものの方がよいそうです。
 写し方は、出来る限り瞳にキャッチアイがとれるように、また影の部分で顔を隠してしまわないように
 ライティングに注意することと、全身像を撮る場合、上側から撮って顔が大きすぎたり、足が短く見えないように
 注意することが必要だそうです。
 ・・・・・・・・雑誌『デジタルフォト』参考

 上記があくまで『ヒト』のポートレート写真の場合です。
 ドール用とした場合、 ボケに関してはいくら、大きなボケが期待できる明るくて望遠マクロなレンズでも
 背景を全てボカしてしまうことは、かなり大変です。
 (かなりな望遠域で、F値も開放しなければ難しいです。ほとんど顔のアップになってしまいます。)
 また、背景を生かした撮り方にしても、屋外で撮影するのなら別ですが、
 室内、特に自宅での撮影では、特別な背景のセッティングをしても限界というもがでてきます。
 被写体が小さいので『帯に短し襷に長し』といったところなのですが、
 あくまで、『ドール』がメインなので、背景のボケ効果は、あまり考えない方が、いいのかなと思います。
 ボケてうまくいったらラッキーぐらいの気持ちで、飽きのこない背景のセッティングが基本かな?

 写し方は、『ヒト』と変わらず、あまり顔だけが大きくならないように、注意してあげればいいと思います。

参考写真 フェイスアップ・バストショット
撮影アングルとしては、
真正面ではなく、ちょっと気持ちずらして撮ることがポイント。
上下、左右は、その時のセッテイング次第でしょうか?
参考写真 上半身・全身
撮影アングルとしては、
できるかぎり、頭より下側でカメラ視点を持ってくることでしょうか。
また直立不動はやめて、
ちょっとポーズを入れた方がいいみたいです。
ジオラマ風写真
 『ヒト』用としては、このジャンルは、撮影の参考雑誌に載ってないです。
 考えてみると、映画のセットの中での撮影と同じでしょうか?

 動きの出るようにパースペクティブを生かした撮影の仕方があっていると思います。

 パースペクティブをつけるためには広角レンズが適していますが、
 しかし、広角のレンズは、中央から端に向かってだんだんと、その効果が強くなりますので、
 出来る限り、
頭部分は中心に持ってくることをお勧めします。
 でないと、頭が異様に伸びてしまったわが子を撮るハメに・・・・・・
参考写真(パースペクティブ)※判り易いように被写体のみで撮影
撮影アングルとしては、
強調したいものを前に持ってくることでしょうか。
もちろん、パースペクティブをつけるために、
上下関係無く『あおり』は必用かと思います。


左の写真の場合は、
強調したいものが如雨露で、
若干、下からアオリを入れてインパクトを強めています。

顔は歪まない程度に画面の縁には、
寄せないようしてますので
少し、下側に構図が寄っています。
気になる場合、
後からトリミングすれば問題ないと思います。
スナップ写真
 出来る限り、動き表情がよく読みとれるように撮影して、その時の被写体と自分の気持ちを
 表現できるように心がけ、構図、背景は、あるがまま・・・
 日常の一瞬を切り取るイメージがいいスナップ写真だそうですが、

 これは、動かないドールたちには『無理』というものです。
 じゃあどうするかというと、普段、この子たちは、どう考えて、どう動くのかを考えて、
 ポージングさせてあげなくてはなりません。
 確かに、ひとりひとりの性格を考えた上で、
 その
動いているだろう状態のポーズをとってあげて撮影することは、
 ポートレート系の写真に比べて、非常に大変かもしれませんが、
 でも、できあがって、ひとつの写真になったとき、一番愛おしくなるのもそんな写真だと思います。

 だって、ポージングしたといっても、その子との記憶がそこに存在するからです。

 わたしは、最近そんな写真が一番、『人形写真』の醍醐味ではないのかナ?と思っています。

 最近では、家に帰って翠星石が家を出た時と同じ場所に同じ格好で待っている方が
 変に違和感があったりして・・・・・

 ・・・・・・・・・・ほとんど、『人形者』として末期状態ですね。(笑)
参考写真 (まるで、漫画の1コマみたいですが・・・)
撮影アングルは、
とにかく、この子が今何がしたいのかを明確に写しだしてあげること。
この一言でしょうか。



3.光のあて方について。

 光の当たり加減で、さまざまな雰囲気を変えることができるようになります。

 逆光であれば、光に包まれた、やわらかいイメージに
 斜光であれば、憂いやインパクトを秘めたイメージをつくることができます。

 光をうまくあてるというより、どうイメージどおりの影をつくるかを考えた方が早いことも多々あります。

 光のあて方といっても、難しく考えては『スタジオ撮影』みたいに大変なことになってしまうので、
 ここでは大きく、窓からの自然光の向きあわせと、室内蛍光灯の位置
 別置ストロボを使用した場合のストロボの位置について、少しまとめておきます。
 
a.窓からの採光
 窓からの自然光の位置は、窓辺近くで撮影する場合、注意する必要がありますが、
 室内全域に光がいきわたっている場合については、窓面をバックにしないかぎり、
 影もできにくいため、どこでも単一なイメージとなります。
 ふつうのポートレートには向いてはいますが、インパクト感は、薄れます。

 窓辺で撮影する場合、光の指向性がでてきますので、
 その向きによって、かなり撮れるイメージが変わってきます。
 参考例は、撮影の条件にでていますので、見てください。

 その時にできる影がイメージをつくるポイントです。
 あとは、撮るご自身のイメージに合わせ、光の向きを調整すればいいだけです。

 ある意味、一番綺麗で、一番撮りやすい光源だと、思います。

 参考としては前項の“撮影条件について”にて掲載してます。
b.室内蛍光灯
 部屋の光は、自然光を取り込まない場合、この光源が基本となります。
 
 光源自体は、あまり強くないので、出来るだけサブの光源を設けた方がよいのですが、
 この光源だけで撮影する場合、基本は直下から逆光ぎみで撮った方が綺麗になります。

 順光で撮影した場合、どうしても天井からの光によって、顔の下側や、鼻の下、髪の毛の影ができてしまいます。
 これを逆光で消してしまうということです。

 但し、この方法ですと、写したい部分がかなり暗くなってしまうので、
 露出をかなり上げて撮影しなくてはならないです。
 約1〜3秒ぐらいのシャッター速度になるので、三脚は必須となります。
 また、影による、インパクトの付け方はできなくなります。

 あとは、裏技的ですが、寝させて撮れば、順光と同じ光源設定ができますけどね〜・・・・

 撮影位置によっての見え感の違いを参考に下記につけておきます。
順光位置 直下位置 逆光位置
c.別置ストロボ
 上記室内や、屋外自然光での光の方向の調整については、前項の“撮影条件について”にも触れた、
 ストロボの使用やレフ板の使用があります。

 レフ板は、ある程度、元の光源が強くないと、意味が無いので、
 ここでは元光源になりうるストロボについてのみ、まとめていきます。

 ストロボを別置にすることにより、ある程度自由に陰影をつけることが可能になります。
 その場合、直接光をあてるのではなく、バウンスやデュヒューザーなどの効果を使い、
 自然な雰囲気を出すことが前提と考えてください。
 直接、あてた場合、ドールに対してストロボは強すぎるため、かなりギラギラとした画像になってしまいます。

 バウンスやデュヒューザーなどの効果についての参考は前項の“撮影条件について”を見てください。
 設置場所の違いについては、参考を下記につけておきます。
ストロボの置く場所の違いによる陰影の差

斜め前方から

横側から

目の位置より上側から

目の位置より下側から
 ※前方については、通常の付属ストロボと変わらないので、割愛しています。
 ※逆光については、被写体が暗くなって意味がなくなるので、省略してます。
 (ストロボを2台同時に使用した場合、自然光の逆光と同じ効果が得られるそうです。)
 実際、撮影に関しては、昼間、自然光で、補助的にストロボを使用するなどして、
 撮影したものが、わたしの経験上では、一番綺麗でした。

 但し、これは、あくまで撮った画像をそのままプリントアウトした場合です。
 現像の時に色彩やコントラストなどを調整することが基本とした場合、
 きちんと光の陰影がイメージどおりであれば、問題はないと思います。

 わたしの写真も半分以上は、夜間の室内蛍光灯と別置ストロボ撮影によるものです。
 光のあて方としては、試行錯誤しながら、ストロボをいろんな場所において撮ってはいますが、
 基本的には、瞳にキャッチライトが入り、影が自然な、斜め前方、目の位置より少し上ってとこでしょうか。


4.ピントのあて方。

 ようするに、何を撮りたいかということなので、人形たちに決まってはいるのですけど、
 人形の、どの部分にピントをもってくるかです。
 
 まず、
ポートレートの場合は、瞳です。やっぱり人形も目が命!!だと思います。
 人形は、とくにグラスアイをつけた子達は、目が怖いとよくいわれますけど、
 それは、2通り意味があって、1つは、生きてるみたいで怖い・・・
 もう1つは、真逆で死人のようで怖い・・・
 後者は、まだある意味人形としては未完成、
 そして前者は、命を吹き込めば、『みたい』ではなくなるということです。
 
 であれば、瞳に焦点を合わせ、撮ってあげることによって、
 彼女たちの『生きてる一瞬』を撮ることができるのでは?

 
ジオラマやスナップの場合は、見せたい動きや、モノにやはりピントを合わせた方がいいと思うのですが。
 
人形たちがメインであれば、基本は同じということになりますね。


撮影方法としては、こんなところでしょうか。

いろいろ書きましたが、人形撮影は、ちょっとした部分は違うのですが、
技法や注意点は、ほとんど、小物関係の写真と同じで、考え方は人物撮影と同じです。

撮影位置で、
小さな人形たちをジュエリーのように大切に扱い、廻りの状況や条件に気を配り、

ヒトを撮るときに、撮影者とモデルがコミュニケーションをとりながら、
楽しく撮影した方が、いい写真が撮れるように
人形たちも撮影者と一体となって、はじめて、いい写真が撮れる
ようになると思います。

写真は、目の前にいる人形たちだけじゃなく、撮影者の心も写してるってことかな?
思いさえあれば、きっといい写真が撮れるってことですね。・・・勉強もするし・・・

次は、撮影した写真を基に簡単な画像加工についてまとめたいと思います。


★★★人形写真の迷宮 メニュー★★★
1.機材、小道具について
a) カメラの種類、特徴について コンパクトデジタルカメラ、NEO一眼レフカメラ、一眼レフカメラ 公開
b) 三脚、リモコンの利用 手ブレをなくす簡単な方法 公開
c) 背景のセッティングについて 市販品から手作りまで 公開
d) 小物の使用について スケール感、イメージ作り、 公開
2.撮影について
a) 記録方法について JPEGとRAW、ブラケット撮影、ピクチャースタイル 公開
b) 撮影条件について 日中の自然光、室内蛍光灯、スポット、瞬間光(フラッシュ) 公開
c) 撮影方法について ズームと広角、マクロなどレンズ選択や設定、撮影アングル 公開
3.データ処理、加工について
a) 簡単な後処理について 明るさ、色合い、コントラスト、トリミング 公開
b) 視覚効果のある処理について ソフトフォーカス、縁取り、セピア 製作中
★★★人形写真の迷宮 表題及びリンク集★★★

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