1.機材、小道具について(4)


d) 小物の使用について
人形写真のイメージを広げてくれるのが前にあげた背景のセッティングと
その周りに配置する小物だと思います。

しかし、ひとつの写真を撮るために、そのイメージにあった小物を買っていたら、
お金がいくらあっても足りなくなるのは、目に見えます。

汎用性の高いものは、買っても損は無いと思うのですが、その時だけに使用するものは、
できるかぎりコストを落としながら考えていきたいものです。

そこでイメージを生かす小物の使用について、汎用性の高いものをベースに
いくつかの方法をここでは、まとめていきたいと思います。
まずイメージをつくるために必用な小物の種類としては、

1.椅子やソファーなどの娘たちの姿勢を決めるために必用なもの。
2.背景など情景を伝えるために付加したい小物関係。
3.娘たちの動きを感じさせることができる小物関係。
4.娘たちを着飾るための小物関係。


だいたい小物の分類としては上記の4項目になると思いますが、
イメージづくりにおいて必要なものは、それぞれ異なってきます。
個別のイメージづくりにおいては先にも書いたように人それぞれなので、
全てにおいてまとめていくことは、実際不可能ですので、そのあたりはご理解いただいて、
ここでは、簡単にイメージづくりができるもので、まとめていきたいと思います。

1.椅子やソファーなどの娘たちの姿勢を決めるために必用なもの。

 一言でいって、これで娘たちの姿勢が決まります。
 内容としては、立つか、座るか、寝せるかに関わるものになります。
 
 3つのスタイルに必用な具体的なものと入手方法などを下記のとおりにまとめてみました。
スタイル 具体的 入手方法(ネット販売除く)
立つ
ドールスタンド
(自立できる方は必要ないのですが)
種類、大きさ各種あります。
ドール販売店様には基本的にあると思います。
なかには自作される方もいます。
座る 椅子・ソファー・ベンチなど ドール販売店様には基本的にあると思います。
いろんな種類があります。
ドールを座らせられる高さのもの 背景イメージに合うもの

服などで隠れてしまう場合は、
つぶれなければ何でもいいと思います。
なし(床の背景を使用) なし
寝る 大きいソファー・ベンチなど 寝るほど大きなものは、なかなか無いです。
大きめのクッションなど インテリアSHOPなどの市販品でよいと思います。
なかには自作される方もいます。
なし(床の背景を使用) なし
下記に具体的な参考例を付けておきます。

基本的に、特殊なものでない限り汎用性の高いものなので、できるだけ使用勝手のよいものを
入手していただければ問題ないと思います。

わたしは、ドールスタンドについては、サドルタイプと背で支えるタイプ(着物用)を
椅子については、木製のものを
クッションについては、家にあるベーシックな色ものを使用しています。


市販品参考写真

立つ
サドルタイプ バックタイプ
※画像参考リンク (株)ボークス http://www.volks.co.jp/jp/index.aspx


座る
椅子 ソファー
※画像参考リンク (株)ボークス  http://www.volks.co.jp/jp/index.aspx
 


寝る
大きいソファー クッションタイプ

※画像参考リンク プロディア
http://www.777angel.com/index.htm

イメージに合った大きいもの


2.背景など情景を伝えるために付加したい小物関係。

 これで全体のイメージが決まります。
 内容としては、撮影情景テーマに関わるものになります。
 
 季節をテーマに考えた場合、花や自然素材のものになりますし、
 部屋を考えた場合、家具などになってきます。

 家具については、なかなか椅子などとは違って、入手しづらいため、ネットなどでよいものがあったら、
 できるかぎり入手した方がいいと思います。
 (1/6スケールと違い、1/3スケールは特に少ないです。)
 自作するには服を縫製するよりも大変です。
 安価でイメージのよいものを探してくださいとしか書きようがありません。ゴメンナサイ _(__)_

 但し、人形サイズのスケール感を出すためには上記の内容が必要ですが、
 あえて今の部屋の雰囲気が撮影イメージと同じならば、逆に人形らしさを出して、
 実際の大きさの家具を使用して、撮影するのも良いかと思います。

 他に、ここではひとつひとつのイメージに対する小物については紹介しませんが、
 特殊なイメージを作ろうとすればするほど、
 必用な小物についても特殊なものになってきますので、入手しづらくなってきます。
 どうしても、そんな小物を入手したい場合、自作をするか、特注で作ってくれる方にお願いするしかありません。

 簡単に写真を撮るためにも、小物もできるだけすぐ、セッティングできるほうがいいかと思います。
 そうした場合、日常手に入るもので、考えた方がよく、スケール感を意識しないものの一つが『花』だと思います。
 
 そこで、ここでは、入手が比較的に容易でイメージも作りやすく効果が高い、花や自然素材についてまとめていきます。

 バックに花をもってくる方法としては、
 
1.切花を花瓶に入れて飾る方法
 2.アレンジメントフラワー(造花)を花瓶や専用のスタイルフォームに刺して飾る方法
 3.ドライフラワーを花瓶に入れて飾る方法

  などがあります。

 また、自然素材をバックにもってくる方法としては、
 1.背景パネル(背景としてセッティングした幕)に直接とりつける方法
 2.比較的大きいものを背面に立てる方法

  などがあります。

 娘たちの周りに花を配置する方法としては、
 1.切花、アレンジメントフラワー、ドライフラワーに限らず、必要部分を切り取って、
  娘たちに持たせる方法。
 2.娘たちを床に座らせるか、寝せ、上記同様にして衣服の上に配置する方法。

  などがあります。

 自然素材についても基本的には上記の方法と同じです。

 各それぞれの使用感は同じですが、切花だけは『生』ですから、
 できるかぎり、娘たちに着けて使用しないほうがいいと思います。
 (せっかくの衣装が切花で汚れてしまうと、写真どころでは無くなってしまいます。)
 ドライフラワーについても、砕けやすいので注意した方が、いいです。

 また、入手方法としては、お店で買ってくることもできますが、
 どこかに出かけたときに、持って帰ってきて、押し花の要領でドライ化したりするのも、
 楽しいですから、やってみてはどうでしょうか?
 (2006.11の綺羅の写真は紅葉ひろいしてドライ化したものを使用しています。)

 他には、アレンジメントフラワーの場合、花と茎が分離できるものが多いので、
 花だけを娘たちの周りに散りばめる事もでき、汎用性が高いです。

 参考までに、ここで公開している写真ですが掲載しておきます。


参考写真(花や自然素材)
切花(バックで使用) アレンジメントフラワー(バックで使用)

花束をバックに
花を背負っているイメージです。

基本的には切花と同じ使用感です。
枯れないので日にちが経っても使えます。
ドライフラワー(散りばめて使用) 自然素材(散りばめて使用)

日にちが経っても使えるのは
アレンジフラワーと同じですが
イメージはかなり違います。

紅葉など葉系を使用する場合、
取り扱いはドライフラワーと同じです。
他にも小枝や樹果など使用すると、
おもしろいと思います。


3.娘たちの動きを感じさせることができる小物関係。

 これで娘たちのポーズが決まります。
 内容としては、娘たちの行動に関わるものになります。
 その場合、内容によっては着ている物と密接な関係がでてきますので、
 バランスを考えてセットしましょう。
 
 代表的ななものと使用方法などを下記のとおりにまとめてみました。
小物の種類 使用方法
ティーカップなど テーブルの上に飾ったり、娘に持たせたりして、
ティータイム風に。
携帯電話・電話 娘に持たせて、電話中?風に。
椅子に座らせるなどして、読書中。
銃や剣・魔法の杖など 背景と合わせて、アクティブなイメージに。
カバンや袋物 お買い物などお出かけ風に。
日傘・化粧品 おしゃれなイメージポートレートに。
上記についての入手は通常ではなかなか手に入らないので、
自作するか、ネットやイベントで見つけて買われた方が早いと思います。
(市販品としては、あまり見かけません。)

また、無くてはならないものではないため、娘たちを演出するプラスα位に
思っていた方が、いいかと思います。

(どうしても、上記イメージが欲しい時は、別ですけど・・・)


4.娘たちを着飾るための小物関係。

 簡単にいえばアクセサリーです。
 
 代表的ななものを下記のとおりにまとめてみました。
小物の種類 入手方法
ヘッドドレス・リボンなどヘアアクセサリー ドール販売店様には基本的にあると思います。
衣服を買ったときに付随することもあります。
なかには自作される方もいます。
イヤリング あまり見かけませんが、
ドール販売店様に基本的にあると思います。
衣服を買ったときに付随することもあります。
なかには自作される方もいます。
ネックレス ドール販売店様には基本的にあると思います。
衣服を買ったときに付随することもあります。
なかには自作される方もいます。
ブレスレット ドール販売店様には基本的にあると思います。
衣服を買ったときに付随することもあります。
なかには自作される方もいます。
ユビワ なかなか、見かけません。
着けるには、SDの場合、指の加工も必要になります。
たまにネットで見ます。
ベルト ドール販売店様には基本的にあると思います。
衣服を買ったときに付随することもあります。
なかには自作される方もいます。
上記についての入手はお店でもありますが、
ネットやイベントなどでイメージの合うものを見つけて買われた方がいいかと思います。
(市販品としても多くありますが、雰囲気のいいものを扱われていられるHPをお持ちの方が多くいらっしゃいますので。)

写真を撮るためのイメージのためというよりは、
娘たちのイメージアップのためのものですので
ここは手を抜かずに着けてあげた方がいいと思います。
かわいさ倍増!間違いなしです。


これで、撮影の準備は、全て、できあがりました。

いろいろと書きましたが、多分、小物については、わたしより詳しい方の方が多いのでは、と思います。

その小物を入れて撮影する場合、できるかぎり背景や衣服に馴染む色合い(同系色・彩度感)を使用すると、
カメラのホワイトバランスや露出含めた、センサーのバランスをとる機能の、ミスが少なくなるので、
全体の雰囲気がまとまり、自分の考えていた色合いにすることが、たやすくなります。

また、小物があるのと無いのでは写真の拡がり感が違ってきます。
簡単に説明すると、
小物が無い場合、背景はどうしても単純化されるので、
証明写真のようなポートレートになりがちになります。
ところが、小物を入れるとそこにストーリーが生まれてくるので
存在感のある写真になります。

どちらがよいかは、撮る写真の目的によって異なってきますが、
小物を使用して撮影すると、


人形たちに 表情や動きを彷彿できるようになります。

前にも書いたように、その小物に合った背景があれば、余分なものが映らないし、
イメージによって、存在感が増せば撮影してても楽しくなってくると思います。

いよいよ次は、撮影について、まとめていきたいと思います。


★★★人形写真の迷宮 メニュー★★★
1.機材、小道具について
a) カメラの種類、特徴について コンパクトデジタルカメラ、NEO一眼レフカメラ、一眼レフカメラ 公開
b) 三脚、リモコンの利用 手ブレをなくす簡単な方法 公開
c) 背景のセッティングについて 市販品から手作りまで 公開
d) 小物の使用について スケール感、イメージ作り、 公開
2.撮影について
a) 記録方法について JPEGとRAW、ブラケット撮影、ピクチャースタイル 公開
b) 撮影条件について 日中の自然光、室内蛍光灯、スポット、瞬間光(フラッシュ) 公開
c) 撮影方法について ズームと広角、マクロなどレンズ選択や設定、撮影アングル 公開
3.データ処理、加工について
a) 簡単な後処理について 明るさ、色合い、コントラスト、トリミング 公開
b) 視覚効果のある処理について ソフトフォーカス、縁取り、セピア 製作中
★★★人形写真の迷宮 表題及びリンク集★★★

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