1.機材、小道具について(2)

b) 三脚・リモコンの利用
人形撮影を行う場合、通常室内での撮影が基本となると思います。

なかなか愛娘を屋外に連れ出すというのは、破損や汚れ、日焼けなどの劣化を考えると、
勇気が必要ですし、
小物や背景でイメージを出す上でも室内の方がベースになると思います。

その場合、どうしても日中での撮影と違い明るさが不足なりがちとなりますので、
手ブレが生じやすくなります。

そこでブレをなくすために、いくつかの方法をここでは、まとめていきたいと思います。
ブレをなくす方法としては、

1.手振れ補正機能の使用
2.三脚の使用
3.リモコンの使用
4.フラッシュの利用


以上4つの方法が有効だと思いますが、フラッシュについては、どちらかというと撮影方法の内容で
結果的に光量アップすることでブレが生じにくいだけなので、
ここでは他の3項目について考えていきたいと思います。

☆☆☆ 手ブレとはこんなものです ☆☆☆



全体的にぼやけてしまっているのが、はっきりと見てとれます。
せっかく撮影した写真がブレていると、かなりへこみます。(V_V)


1.手振れ補正機能

 最近、ほとんどのデジタルカメラがこの機能を持つに至りました。

 その詳細メカニズムは、各社それぞれ独自の方法があるのですが、要するに撮影するときのシャッターを
 押す瞬間のカメラの動きを動いた方向に逆位相をかけてゼロにしてしまうというものです。

 ただし、間違えてはいけないのが、カメラの動きはゼロになりますが、
動いている被写体は、ブレるということです。
 (当然のことですが・・・)
 被写体が人形であれば、まったく問題はありませんけど・・・。

 また、手振れ補正にも限界があります。かなり暗めの場所で撮影しようとした場合は、どうしても
 それに合わせてシャッター速度が遅くなりますので、補正が追いつかずブレてしまいます。
 日中の室内でしたら問題なく撮影できるとは思いますが、夜間などの室内蛍光灯では、
 撮影の仕方によってはブレてしまいますので注意が必要です。

 一眼レフカメラの場合、手振れ補正の方法が2種類ありますので、下記に記しておきます。
本体内蔵型 一般のデジタルカメラと同じように、本体の中に機能が入っています。

どんなレンズを装着しても、基本的に手振れ補正が効きます。
(一部、例外もあるようですから、気をつけて下さい。)


搭載メーカー
ソニー
ペンタックス
パナソニック
本体内蔵型例

パナソニック DMC-L1K LUMIX

『AYUはブレない!』で一躍、
手振れ補正機能が有名になったメーカーの一眼レフです。


※基本機能はオリンパスのE-330と同じなのでお勧めですが
レンズともで購入しなければならずかなり高価に感じます。
レンズ組込み型 本体には補正機能は入っておらず、レンズ内にて補正をかけるタイプです。

手振れ補正をかけたかったのならば、専用のレンズを別途、購入する必要があります。

一般的に本体内蔵型に比べ、極わずかですが効きがいいようです。


搭載メーカー
キャノン
ニコン
レンズ組み込み型例

キャノン EF 24-105mm F4L IS USM

フルサイズCCD搭載のキャノン EOS 5Dと合わせて販売されたレンズ。
現在も品薄状態が続いています。


※参考までに手振れ補正レンズは
キャノンは品番にISと明記され、ニコンは品番にVRと明記されています。


2.三脚の使用

 手ブレ補正でもブレてしまうということは、手で持って撮影できないということですから、
 必然的にどこかにカメラを固定して撮影することになります。

 どこか適当な位置でカメラを置いて撮影するならば、やはり、高さ、位置、角度も容易に変えることのできる
 三脚の使用をお勧めします。

 大きさや種類についてもいろんな種類がでているので、用途に応じて決めればいいかと思います。

 価格についても、かなり巾がありますが 人形写真用途に限って考えれば、1万5千円あれば十分です。

 ただし、選ぶときに、カメラを装着する雲台がぐらつくもの、脚がひ弱でシャッターを押すときにしなるものは、
 さけたほうがいいと思います。

 せっかく、ブレないように設置したにも関わらず、上記でブレると涙がでてきます。(泣:経験者です)

 取り付け方法はカメラ下部に付いているボルト穴に三脚の頭にあるボルトをねじ込むだけです。

 
代表的な三脚の種類
雲台のみでカメラの角度をつまみで決め込むもの(自由雲台)
特徴


長所
シンプルなつくりの分、強度があります。

短所
微妙な角度調節に慣れが必要です。
ワンタッチ又はつまみでカメラの縦横を変えることができるもの(2WAY雲台)
特徴


長所
縦、横撮影のチェンジがしやすいです。

短所
ワンタッチで変えられるものは、
斜めにカメラを固定できないですし、
がたつきしやすいです。
雲台一体型で脱着できないので
装着が若干他のものに比べ、
しづらいです。
雲台部分にレバーが付いていて、レバー操作によって角度変更を行うもの(3WAY雲台)
特徴


長所
角度の変更がしやすく固定します。

短所
レバーが張り出してきますので
大きく、重くなりがちです。


3.リモコンの使用

 三脚を使用しても細かい小物や人形のディティールを撮影するためには、
 シャッターを押す時のわずかなカメラの動きについてもブレが発生してしまいます。

 特に最初に説明した手振れ補正機能がついていなければ、目に見える位のブレがでます。
 その時に役に立つのが、リモコンです。

 最近のデジタルカメラには付いているものが多いですし、付いていなくても、オプション設定であると思います。

 一眼レフカメラではワイヤー型とワイヤレスとがあります。どちらでも構わないでしょう。

 また、他の方法として、リモコンを使用しなくてもセルフタイマーを使用すれば同様の効果が得られます。
 リモコンのない方は、一度試してみてください。

 但し、タイマーの場合、その都度、待ち時間ができますので、撮影が非効率になるので時間がかかります。
 リモコン設定のないカメラですと逆にセルフタイマー設定の短いもの(2秒ほど)があると思いますので、
 そちらを使用すれば問題ないと思います。
 (わたしも以前、タイマーで撮っていたのですが、時間がかかるのでリモコンに替えました。)

 リモコンで撮影する方法を簡単に下記にて説明しておきます。
 
1.リモコン側の設定を決める
(種類があるもの)
2.シャッターの設定を
 リモコンに設定する。

 リモコン設定のないカメラは
 セルフタイマーにすると
 リモコンが動作するものもあります。
 (キャノンなど)
3.被写体にカメラを合わせて、
 シャッターボタン半押しで
 オートフォーカスする。
4.リモコンスイッチを押して
 レリーズする。
※画像参考リンク (株)ニコン サポートページ  http://www.nikon-image.com/jpn/support/index.htm


以上の内容より、

ブレを物理的に減らしていくことができると思います。

フラッシュを使用した場合、ある程度、シャッタースピードをかせぐことができるので、
手振れ補正機能があれば、実質、気にならなくなるとは、思いますが、
いろんな撮影を考えると、やはり三脚とリモコンは、あった方が便利だと思います。


上記3項目の対策によって、非常に
いろんな光源や陰影のスタイルまで、
撮影の巾が広がる
と思います。


(実際、フォーカスロックさえできれば、シャッタースピードを気にしなくてもよくなります。)


次は背景のセッテイングについて、まとめていきたいと思います。


★★★人形写真の迷宮 メニュー★★★
1.機材、小道具について
a) カメラの種類、特徴について コンパクトデジタルカメラ、NEO一眼レフカメラ、一眼レフカメラ 公開
b) 三脚、リモコンの利用 手ブレをなくす簡単な方法 公開
c) 背景のセッティングについて 市販品から手作りまで 公開
d) 小物の使用について スケール感、イメージ作り、 公開
2.撮影について
a) 記録方法について JPEGとRAW、ブラケット撮影、ピクチャースタイル 公開
b) 撮影条件について 日中の自然光、室内蛍光灯、スポット、瞬間光(フラッシュ) 公開
c) 撮影方法について ズームと広角、マクロなどレンズ選択や設定、撮影アングル 公開
3.データ処理、加工について
a) 簡単な後処理について 明るさ、色合い、コントラスト、トリミング 公開
b) 視覚効果のある処理について ソフトフォーカス、縁取り、セピア 製作中
★★★人形写真の迷宮 表題及びリンク集★★★

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